通信制高校における学校防災マニュアル

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通信制高校は全国に数多く見受けられており、利用している生徒の数も増えてきている傾向が見受けられます。そのような通信制高校には様々なマニュアルがあるのですが、その中の一つで注目を集めているのが学校防災マニュアルです。

そこで今回は、通信制高校での学校防災マニュアルの必要性やその内容について紹介していきます。

→通信制高校って?本来の役割と現代の役割

通信制高校に学校防災マニュアルは必要なのか

通信制高校とは自分たちで通学する頻度や時間をある程度調整しながら、自宅学習を中心として行うことができる教育制度を設けた高校のことを指しています。そのため全日制の高校や定時制の高校と比較するとそこまで学校そのものに通う必要性がないため、校舎に生徒がいることが少ないというところも多いです。

このような点から通信制高校ではわざわざ学校防災マニュアルは必要ないのではないかという意見もありますが、逆に言えばほとんど校舎で過ごすことがないからこそ火災などの災害に遭遇した場合にどのように対処すればいいのかわからないという問題もあります。

また普段校舎にいないので避難経路がどのようになっているのか、非常口や非常階段がどこにあるのかなど、校舎の構造に関する知識が少ない生徒も多いと考えられています。そのため全日制または定時制の高校に通っている生徒よりも災害時のリスクが高いとされているため、学校防災マニュアルの需要が高くなっているのです。

これは生徒に関するマニュアルであるのはもちろん、率先して避難誘導などを行う教師側にとっても必要不可欠なマニュアルと言えます。

通信制高校で学校防災マニュアルを設けるメリット

通信制高校で学校防災マニュアルを作成しておくメリットとして、災害時の対応を理解することができる点があります。普段校舎を利用している教師や生徒であればある程度校舎内の構造を知っていますし、定期的に避難訓練を行うのである程度どのように対応してどのような経路で非難をすればいいのか把握しやすいですよね。

それに対してほとんど校舎で過ごすことがない通信制高校の場合、生徒はもちろん場合によっては教師側も避難経路や避難時の対応に戸惑ってしまう可能性があります。特に校舎内の構造を知らなかった場合、災害が発生した時にどこに逃げれば安全なのかわかりにくいという問題も起きやすいのです。

このような災害時の対応を理解して迅速に行動するためには、学校防災マニュアルの存在は必要不可欠なのです。特に教師側は普段校舎を利用しない生徒たちを落ち着いて誘導していかなければいけないので、マニュアルの存在は知識を備えておくという面でも大切なものと考えられています。

また災害時の対応をマニュアル化しておくことは全員が同じように行動できるというメリットもあり、必ずしも同じ生徒や教師が校舎内にいるわけではない通信制高校にとっては大きな意味を持っていると考えられています。

学校防災マニュアルの内容について

では実際に通信制高校の学校防災マニュアルがどのようになっているのかというと、その内容は校舎内での対応と自宅での対応の2種類が挙げられています。例えば万が一登校していて地震や火災などの災害に遭遇した場合、どのような経路で校舎内のどこに避難するのかという内容が記載されていることが多いです。

また教師側の初動態勢などが記載されており、誰がどのように行動して校舎内にいる生徒たちを誘導していくのかが分担されています。これは全日制または定時制の高校の学校防災マニュアルと同様の内容となっており、必要に応じて生徒たちを自宅に帰すのか校舎内で待機するのかなどのポイントも明記されているのです。

また通信制高校の場合は自宅で勉強をしている生徒も多いため、自宅で災害に遭遇した場合の対処についても具体的に明記されています。こちらの内容に関しては全日制または定時制の高校の休祝日や夜間対応と類似しているケースがほとんどではありますが、安否確認に関する連絡網や連絡手段が具体的にマニュアル化されていることが多いようです。

こうすることで普段自宅で勉強をしている生徒たちが自主的にほかの生徒の安否を確認したり、学校側に安否や避難に関する連絡ができるようにしています。

スマホやアプリを使った学校防災マニュアルや情報共有が多い

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通信制高校での学校防災マニュアルや災害に遭遇した場合の情報共有の手段としては、スマホやアプリを使った方法が多く利用されています。これは通信制高校に通っている生徒の多くがパソコンやスマートフォンを利用した学校側の授業や教材を使用しているためで、普段から用いているデバイスを利用する方がスムーズな連絡や情報共有をしやすくなっていることも理由とされています。

特に普段なかなか登校することがない生徒の場合はほかの生徒の顔や名前を知らないケースも多く、教師側も生徒の顔や名前、連絡先を把握しきれない可能性が考えられるのです。このような点から通信制高校では通常の学校防災マニュアルを利用しているのはもちろん、マニュアルの共有や万が一の情報共有はスマホや専用のアプリを使っているところが増えてきている傾向があります。

ただ地域全体を巻き込んだ大きな災害が発生した場合にはスマホやアプリを利用することが難しくなる可能性もあるため、それ以外のデバイスや手段を用いた連絡方法や情報共有に関しても検討または実践しているところが多いです。

学校防災マニュアルを用いた防災訓練も実施

全日制または定時制の高校では防災の日などを利用して、定期的に避難訓練を実施していますよね。実は通信制高校でも定期的に避難訓練や防災訓練を行っており、万が一校舎内で被災してしまっても落ち着いて対応できるようにしています。

実際に行われている避難訓練や防災訓練の内容は通信制高校によって異なりますが、例えば実際に校舎内を歩いて避難経路や避難場所を確認するという内容を実践しているところがあります。ほかにも防災グッズを作るイベントを実施するなど、様々な形で生徒や教師に防災に関する意識を高めてもらうように努力しているようです。

それ以外には防災に関連する施設を訪れて防災体験を行うところもあり、あくまでも自由参加ではありますが生徒や教師に訓練を呼び掛けています。このように学校防災マニュアルを用いて実際に防災訓練を実施することで、通信制高校であっても全日制または定時制の高校のように防災意識を高めてもらうことが可能です。

ちなみに自由参加なので生徒の中には防災訓練に参加しないもしくはできないケースもありますが、その場合はほかの生徒が自主的に情報共有をすることもあります。